こんにちわ。にゃおすです。
今日は知ってるようで知ってないEU離脱について
おサルさんでもわかる程超簡単に解説した記事です。
目次
①EUって?
発端とEUになるまで
②イギリスがEUを離脱したい理由-3本の杉-
1本目:移民多すぎ
2本目:EU縛りすぎ
3本目:貿易しにくすぎ
③国民投票で顕在化した国民の不満
【前編】キャメロン首相が実施した国民投票
【後編】メイ首相の行動
④さいごに
①EUって
欧州28ヵ国からなるユニオンのことをEU(European Union)と呼びます。
発端とEUになるまでの経緯
ECSC編
今のヨーロッパ地域も第二次世界大戦時に戦場でした。
終戦後1950年代頃EUの前身の前身となるECSC(ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体)が発足します。
このECSCとは【争いの火種の1つでもあった石炭のエネルギー資源や鉄鋼等をみんなでシェアして争いにならないようにしよう!】というものです。
敗戦を機に辟易とした国々は各々に反省し2度起こさないようにしようとした結果出来上がった組織です。尚、当時のECSCは西ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、フランスで結成されていました。
ともすればイギリスは第二次世界大戦時においては勝ち組の立場だったので、反省するという感覚ではありませんでしたし、地理的に見ても欧州の大陸と離れている物理的な要因も作用してECSCには加盟しませんでした。
EC編
そうこうしているうちにECSCを契機にEUの前身になるEC(ヨーロッパ共同体)が出来上がります。ECSCという仲良しクラブから新しい市場も作ったりして営利面でも尖がっていこうぜ!という志を掲げて形成されたのがECです。
一方で当時イギリスは志高いECと対照的に経済難に陥っていました。この辺りからイギリスは自国の経済体制を死守することを考慮してECに加盟した方がいいかもしれないと考えるようになり1973年にECに加盟します。

EU編
ECは年々規模が大きくなり、今までは未加盟国であった東ヨーロッパも加盟を表明してきます。東ヨーロッパの様に加盟するまで違う仕組みで経済を回していた国が参加してくるとなると制度の共有がまた面倒なことになってきます。ECは異文化の国が途中参入してきてもいいように仕組みを変えなければならないのではないかと考えるようになり、経済的権利に加えて政治的権利も持つ組織に変貌を遂げます。これが今のEUです。
②イギリスがEUを離脱したい理由-3本の杉-
ここではなぜイギリスがEUを離脱したいのかを説明していきます。
1本目:移民多すぎ
現在はEU離脱の国民投票が行われてからは減少していますが、EU離脱の意思が顕在化した2016年頃まではイギリスはGDPの規模が世界5位の経済大国ということもあって、仕事を求めて東ヨーロッパからの移民数が右肩上がりだったんです。

移民してきた人はイギリスにちゃんと税金も払ってるし、イギリス人がしたくない仕事とかも移民がやってくれたりしてるんです。移民は悪いことではないんです。イギリス人だけが持つ形容しがたい気持ちの問題でしょうか。強いて表現するなら移民を多く受け入れることでイギリス色が薄まるのではという危機感でしょうね。EU外から来る移民に対してはイギリス側である程度制御がかけられるんですよ。アジア圏からこんだけ、中東からこんだけとかですね。でもEU内の移民となると移動に関しては自由だからイギリス側でハンドリングできなくなっちゃうんです。その権限を持ってるのはあくまでEUであってイギリスじゃないんです。

2本目:EU縛りすぎ
端的に言うと縛りが強すぎて新法案設置や新制度の稟議が煩わしいってことです。1本目の移民増加問題でも法的な拘束で解決できないのだろうかと疑問を抱いた人もいるかもしれません。結論から言うとイギリス単独での施行は無理です。仮に移民制御の法律を作ったところで、EUのルールに適合していなければ却下されてしまうからです。
またEUには独特な法律があります
独特な法律
・掃除機の吸引力には限度を設けます。
・店頭に並ぶ農作物や果物は曲がっていてはいけません。
・車の照明装置は規定された位置に設置してください。
ちょっと理解しがたく、経済活動の足かせにもなっている細かい法律が存在します。こういった煩わしいものから解放されたいという思いもイギリスはもっています。
3本目:貿易しにくすぎ
EUに加盟していると貿易時にEU外の国(アメリカや日本や中国など)と交渉するときはEUとして交渉することになります。

イギリス側は強い産業で利益を出したり、弱い産業を守っていきたい意思があるにも関わらず、EUの意向に沿って貿易をしなければならないということです。本当はこうしたいのにっ!!EUのせいで自由に貿易交渉すらできない!!とヤキモキするわけです。
③国民投票で顕在化した国民の不満
そして、2016年に行われた国民投票によってEU発足から積み積み上げた国民の不満が離脱という形で姿を現すわけです。
【前編】キャメロン前首相が実施した国民投票
前任のキャメロン首相は国民の不満を知っていながら敢えて国民投票を行いました。

キャメロン前首相はまさかEU離脱という結論になると思っていなかったからです。キャメロン前首相はEUというでかい市場と堅牢な母体にイギリスは過去から見ても経済的恩恵を受けてきたし今も尚それは同じである、またEU全体からイギリスは守られてきたでしょう。と国民にアプローチをすることで国民からの理解を得られると信じていました。

それほどまでにイギリス人たちが抱く自国への愛が強かったということです。
【後編】メイ首相の行動
後任になったメイ首相は国民投票に法的拘束力は待ち合わせていないものの、イギリスは民主主義国家である為、民意を国民の総意とし実現することを自身の責務として職に従事しました。
そして現在2020年1月末まで合意が先延ばしされている段階まで来ているというところです。(2020年1月20日時点)
④さいごに
ものすごい簡潔に要約すると
英「自国の経済の為にEC(EU)に入ろう!」
↓
EUでかくなりすぎワロタ
↓
英「前々から思ってたけど、ちょっとEUにいると息苦しいな~」
↓
英「自分、離脱いいっすか?」
ってとこです。
EU側からしたら面白くないでしょうね。
今まで援助してきてやった恩を忘れて後ろ足で砂かけるようなことしやがって!
と思う気持ちもわかります。
ただ、EC(EU)加盟時からわかるようにイギリスは自負が強い国です。通貨をとって見てもイギリスはEUにユーロという共通通貨がありながら、ポンドを設けてます。独自の通貨をもち、ましてや中央銀行も持っていることから察するになんにしても自国の判断だけで解決していく方がいいという心持でもあるでしょう。
そういう性格であったとしか言いようがないですね。バンドの解散理由でよくある「方向性の違い」みたいな感じでしょうか。
実際はもっと深刻化している部分(EU残留派とEU離脱派)や日本への影響等も記事にしようとおもいましたが、それだと難しくなってしまうので今回はここまでとします。
EU離脱が騒がれてるけど、なんかわかんないなという方が骨組みだけでも理解できたり、これを機に海外情勢に興味を持つ方が増えてくれるとこの記事を書いた甲斐があります。
読んでくださってありがとうございました。
